善光寺世尊院不動明王像の修復

​主な修復担当者

漆畑勇気(教育研究助手)

胥 文君(2019年度技術職員)

はじめに

 善光寺世尊院は、長野県元善町善光寺山内にある大観進二十五院の一つであり、本尊には涅槃姿のお釈迦様をお祀りされています。研究室では、令和元年より修復作業を行っています。

不動明王立像

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善光寺世尊院

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​搬出時の様子

長い年月の間に、彩色や漆層が剥がれ落ち、また宝剣や羂索も制作当初のものは失われていました。足回りや台座の損傷が進んでいるため像全体が不安定になっており、特に光背は御像によりかからないと立たない状態でした。今回は、そのような箇所を重点的に修復しています。

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各部の損傷状況

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■​修復工程

 はじめに、本像・光背・台座のクリーニングを行いました。筆を用いての乾式クリーニングや、精製水とエタノールを1:1で混ぜた混合水での湿式クリーニングを行い、浮いてしまった彩色層には剥落止めを施しました。

乾式クリーニング

解体した光背

​剥落止め

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 宝剣の新補にあたっては、スタイロフォームでの試作を行いました。デザインや宝剣の大きさが固まった後に、ヒノキ材での制作を進めています。

​宝剣の制作

 台座・光背は後の時代に造られたもので、パーツ同士の接合にさまざまな工夫がなされていました。しかし、現在では​ほとんどが緩んでしまっているため、ヒノキ材等で補強を行なっています。

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​光背基部の補強

​光背の傾きを補正

 この修復は令和2年9月に完了予定のため、まだまだ途中段階です。それでも、クリーニングを終え、きれいになられた御像をご覧頂ければ幸いです。